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【5階 映像・音響室】 試聴機コーナー入替え

5階 映像・音響室に設置している、試聴機コーナーのSPレコード音源を入替えました。

 試聴機コーナーは、昭和館で所蔵している戦前・戦中・戦後のSPレコード(昭和30年代後半ごろまで一般的に使用されていた78回転のレコード盤)からとった当時の流行曲、芸能、童謡などの音源を気軽に試聴いただくためのコーナーです。現在は以下の音源を試聴することができます。ぜひご利用ください。

昭和館5階試聴機コーナーの写真

① 酒は涙か溜息か

② 東京ラプソディ

③ 日本税関の歌

 作曲家の古賀政男(こが・まさお1904~1978)作曲、歌手の藤山一郎(ふじやま・いちろう1911~1993)歌唱による楽曲を紹介します。

 ① 酒は涙か溜息か が大流行した昭和6年(1931)、藤山は東京音楽学校(現 東京藝術大学音楽学部)の学生で、実家のモスリン問屋の経営が傾いたことから、コロムビアでアルバイトとしてレコードを吹込んでいました。いっぽうの古賀も、佐藤千夜子が歌う『影を慕いて』でビクターから作曲家としてレコードデビューしたのち、コロムビアの専属になったばかりでした。卒業後の藤山はビクターの専属となり、古賀とは別の道を歩んでいましたが、昭和11年(1936)、テイチクレコードから発行された② 東京ラプソディ で5年ぶりにコンビが復活しました。

 二人のコンビによるヒット作の多くは戦前に集中していますが、戦後も記念歌や映画主題歌のレコードを残しています。③ 日本税関の歌 は戦後の税関再開5周年を記念して制作され、翌年の昭和27年(1952)に発行されました。

① わらわし隊―中支皇軍慰問記念―(上)(下)

② トンカラリ運動会(上)(下)

③ ワカナの国策百貨店(上)(下)

 漫才師のミス・ワカナ(みす・わかな 初代1910~1946)と玉松一郎(たままつ・いちろう1906~1963)は、日中戦争から太平洋戦争中にかけて多くのSPレコードを残しています。

 ① わらわし隊―中支皇軍慰問記念― は、昭和13年(1938)、大阪朝日新聞社と吉本興業が共同で企画結成した慰問団わらわし隊の一員として中国をまわり、帰国した後に記念として発行されました。

 昭和15年(1940)以降に発行されたレコードの名義がミス・ワカナでなく、② トンカラリ運動会 の松竹ワカナ、③ ワカナの国策百貨店 の玉松ワカナなどとなっているのは、戦時下の風潮のなかでミス・ワカナという芸名が「日本人らしくない」とされたためといわれています。

① お猿の電車

② ぼくらの象さん

③ ライオンさんが来たよ

 戦後復興期の上野動物園(東京都恩賜上野動物園)を題材にした童謡を紹介します。

 ① お猿の電車 は、昭和23年(1948)のこども動物園の開園とともに開通した“おサル電車”のことで、昭和48年(1973)の終了まで子どもたちに人気のアトラクションでした。

 太平洋戦争中、クマ、トラ、ライオン、ゾウといった猛獣が空襲に備えて処分され、いなくなっていた戦後の動物園に、タイやインド、アメリカ、アフリカなどから動物たちが贈られたことも童謡の題材となり、レコードが発行されました。② ぼくらの象さん では、ゾウのはな子(ガチャ子、カチャー子とも)とインディラのことが、③ ライオンさんが来たよ では、ライオンのメリー、ラッキー、ナイル、アリス(のちジュリーに改名)のことが歌われています。

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