昭和館では、4月29日から5月6日までのゴールデンウィーク特別企画として、昭和の仕事に関連するクイズを4回にわたって出題いたします。
クイズは昭和館映像・音響室で所蔵する写真、映像、音響(SPレコード)の各資料から出題します。
※解答を追記しました。
【出題】
本日は写真資料からの出題です。
この写真は戦災孤児が「あるもの」を拾っているところを写したものです。
孤児たちは「あるもの」を拾い、お金を稼いでいました。さて、その「あるもの」とは次のうちのどれでしょうか。
A:たばこの吸殻 B:缶のプルタブ C:チョコレートの包み紙
正解は………
こちらをご覧ください。
(S1H0701010337)米国国立公文書館提供
というわけで、正解は
A:たばこの吸殻
でした。
【解説】
東京大空襲をはじめとする都市部への大規模な空襲や外地からの引揚げ等、戦争によって家と家族を失った子どもたちを戦災孤児と言います。昭和23年(1948)に厚生省(現・厚生労働省)が公表した「全国孤児一斉調査結果」によると孤児は約12万人とありますが、実際はもっと多かったと推測されています。政府は戦災孤児の保護収容を行うことを決め、保護されて施設で生活する戦災孤児たちもいましたが、中には施設での生活に馴染めず、浮浪生活に戻ってしまう子どもたちもいました。
浮浪生活を送る子どもたちは、たばこの吸殻に残ったたばこ葉を集め、1本のたばこに巻き直して売っていました。
たばこは昭和19年(1944)に配給制となり、戦後も原料の葉たばこの生産が少ないことから品不足が続いていたため、このようなたばこでも商売ができました。
写真のように吸殻を拾う子どもは「モク拾い」、たばこ葉を巻き直して売る子どもは「モク屋」と呼ばれ、分業制で成り立っていたそうです。
昭和館2階ひろばでは、令和6年(2024)6月30日まで、写真展「失われゆく昭和の仕事-戦中・戦後の街頭風景-」を開催中です。今では見かけることの少なくなった昭和の仕事の写真を展示しています。今回ご紹介する資料の他にも多くの写真、映像、音響(SPレコード)資料を5階映像・音響室で視聴することができるほか、一部を昭和館デジタルアーカイブでご覧いただけます。