今年の1月初めに、10年後の人類火星移住を目指して宇宙飛行士の募集を始めるという報道がありました。2月15日にはロシア中部チェリャビンスク州に直径15~17メートル、重さ1万トンとも言われる大きな隕石が落下したことは記憶に新しいところです。さらに、3月末に、太古の火星には生命を育む環境があったと報道されるなど、世界の多くの人が「宇宙」への関心を抱いたのではないでしょうか。
戦後、ソ連とアメリカを中心に宇宙開発が進み、昭和30年代初めには人工衛星の打ち上げが行われるなど、宇宙への関心が高まり、子どもたちは宇宙への夢を抱くようになりました。
昭和36年(1961)4月には、とうとうソ連の宇宙飛行士ガガーリンが初めて宇宙から地球を見ることに成功しました。
今回は昭和館が所蔵している戦後の写真新聞ニュースの中から、昭和30年代前半に天体観測や宇宙、人工衛星などを報じた資料の一部を紹介します。
「宇宙ステーションの計画進む」
(日本写真フォトニュース、890号(3)、昭和34年1月7日)
(1)額入りで展示
1.「ナゾの天体“火星”が地球に大接近 張切る世界の天体観測陣」(時事写真ニュース、200号(3)、昭和29年6月30日)
2.「木星を衛星から見る」(日本写真新聞、655号(2)、昭和30年2月8日)
3.「実現近い、地球人類の夢 宇宙探検 第一号人工衛星の模型」(日本写真新聞、710号(3)、昭和31年1月18日)
4.「宇宙の神秘にいどむ 日本の科学陣 二段式ロケットを完成す」(日本写真新聞フォトニュース、785号(1)、昭和32年4月24日)
5.「英国に宇宙をにらむ巨大な目 世界最大のテレスコープ完成す」(日本写真新聞フォトニュース、797号(3)、昭和32年7月17日)
6.「全世界を驚かした不意打ち実験 ソ連、人工衛星打揚げに成功す」(日本写真新聞フォトニュース、812号(3)、昭和32年10月16日)
7.「NATO会議の土産を失う 米人工衛星打上げに失敗」(日本写真新聞フォトニュース、822号(2)、昭和32年12月18日)
展示ケース
8.「月世界にまでひろがる子どもの夢 空飛ぶ円盤 ベルリンに着く」(日本写真新聞フォトニュース、786号(4)、昭和32年5月1日)
9.「国際地球観測年に重要な役割 世界の屋根に観測所設置さる」(日本写真新聞フォトニュース、813号(3)、昭和32年10月23日)
10.「国際地球観測年に明ける1958年 乗鞍山上に観測の眼光る」(日本写真新聞フォトニュース、826号(4)、昭和33年1月8日)
11.「大気圏外に打ち出されたサル無事生還 人類の宇宙旅行の夢 一歩手前」(日本写真新聞フォトニュース、912号(2)、昭和34年6月17日)
12.「月世界に興味をいだく未来の科学者 はやくも「ロケット教育」始まる」(日写フォトニュース、926号(2)、昭和34年10月7日)
13.「手作りのプラネタリウム」(熊谷元一撮影、昭和31年~34年)
14.「来日したソ連の宇宙飛行士ガガーリン」(石川光陽撮影、昭和37年5月)
(2)映像コーナー
1.「秋気うごく(北アルプス乗鞍岳コロナ観測所、宇宙線観測所)」(読売国際ニュースNo285、昭和29年9月)
2.「宇宙旅行の夢のせて」(朝日ニュースNo525、昭和30年8月)
3.「ソ連で人工衛星に成功」(朝日ニュースNo635、昭和32年10月)
4.「宇宙時代」(朝日ニュースNo640、昭和32年11月)
5.「開かれた宇宙世紀—1957年の回顧-」(朝日ニュースNo646、昭和32年12月)
6.「宇宙の神秘をとらえるー金環食」(中日ニュースNo223、昭和33年4月)
7.「宇宙にとどいた夢—人間衛星成功-」(毎日ニュースNo333、昭和36年4月)