第77回【資料公開コーナー】歌詞カードにみるあの頃の映画音楽
令和2年3月31日(火)~令和2年6月28日(日)
戦時中、上映を禁止されていたアメリカ映画が再び日本の映画館で上映されたのは、昭和20年(1945)12月のことでした。その映画は戦前に輸入されたまま未公開となっていた映画でした。翌年にはGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の外郭団体であるセントラル映画社が戦後初の公式配給をおこなったアメリカ映画「キューリー夫人」「春の序曲」が上映され、当時の日本映画の入場料金が3円だったのに対し10円という高額設定にもかかわらず、大反響を呼びました。
映画の輸入・公開本数は年々増加し、その人気は昭和24年7月に行われた観客アンケートで75.5%の人が「日本映画より外国映画を好む」という結果が出たほどでした。少年期を戦時下で過ごした「焼け跡世代」である映画監督の大林宣彦さんも、戦後のアメリカ映画に多大な影響を受けたそうです。
今回は、昭和館が所蔵するアメリカ映画を中心とした映画音楽の歌詞カードをご紹介します。映画のワンシーンがレイアウトされた歌詞カードを当時のSPレコードの音源とともにお楽しみください。
「日本劇場の前の長い行列」
(昭和20年(1945)12月9日、東京都中央区)
展示内容
【1】額入りで展示(歌詞カード10点・写真1点)
- 「DOIN' WHAT COMES NATUR'LLY/THEY SAY IT'S WONDERFUL」(Betty Hutton/Betty Hutton & Howard Keel)
- 「THE 3RD MAN THEME/CAFE MOZART WALTZ」(GUY LOMBARDO And His
Royal Canadians)
- 「THE CALL OF THE FAR-AWAY HILLS/DARLING,THE MOON IS SO BRIGHT TONIGHT」(DOLORES GRAY)
- 「THE EMPEROR WALTZ/I KISS YOUR HAND, MADAME」(BING CROSBY with Orchestra Directed by Victor Young)
- 「KISS/WHAT COULD BE MORE BEAUTIFUL」(DEAN MARTIN with Orch. conducted by DICK STABILE)
- 「ST. PATRICK'S DAY/I'LL TAKE YOU HOME AGAIN, KATHLEEN」(VICTOR YOUNG And His Orchestra)
- 「LOVE IS A MANY-SPLENDORED THING/VIOLIN」(David Rose and his Orchestra)
- 「THE WORLD IS MINE/EAST OF EDEN」(VICTOR YOUNG AND HIS SINGING STRINGS)
- 「GIANT/PARIS LOVERS LOVERS」(JACK PLEIS And His Orchestra)
- 「GELSOMINA/LA STRADA」(レイモンド・エルグリーノ指揮、イタリア・フィルム・オーケストラ)
- 「日本劇場の前の長い行列」(昭和20年(1945)12月9日、東京都中央区)
【2】ケース展示その1(SPレコード5点)
- 「GONE WITH THE WIND/FOR WHOM THE BELL TOLLS」(VICTOR YOUNG And His Orchestra)
- 映画パンフレット『風と共に去りぬ』(昭和42年(1967)発行)
- 「MARCH FROM THE RIVER KWAI/WILD IS THE WIND」(MITCH MILLER & his ORCH./JOHNNY MATHIS)
- 映画パンフレット「戦場にかける橋」(昭和32年頃(1957)発行)
- 「LUCK BE A LADY(貴婦人であることが幸だ)」(MARLON BRANDO With Orchestra Conducted By JAY BLACKTON)
【3】ケース展示その2(SPレコード5点)
- 「リンゴの唄」(並木路子/霧島昇)
- 「東京ブギウギ」(笠置シズ子)
- 「青い山脈」(藤山一郎/奈良光枝)
- 「カルメン故郷に歸る」(高峰秀子)
- 「侍の音楽」
【4】試聴機コーナー
展示で紹介した歌詞カード、SPレコードの一部の音源を試聴機コーナーで紹介。