第87回【資料公開コーナー】図書・雑誌に見る空襲への備え
令和5年1月5日(木)~4月2日(日)
『家庭防火群特設防護団防空小読本』
(昭和12年9月)日本教育通信社
『隣組家庭防空必携』
(昭和16年8月)東京毎夕新聞社
昭和12年(1937)4月、空襲に備えるため、防空に関する訓練や仕組みについて定められた防空法が公布されました。これにより民間の人々が灯火管制、消防、避難などを行う防空演習が実施されるようになりました。
防空法を周知するために、様々な図書や雑誌などの出版物が刊行され、その種類は防空専門の雑誌から子ども向けの紙芝居トーキーまで、多岐にわたりました。
昭和16年(1941)12月、太平洋戦争が始まると戦況は悪化の一途をたどり、昭和17年4月には東京をはじめとする6都市で本土初空襲が行われ、昭和19年には、大都市や全国の地域で大規模な空襲が始まりました。それに伴い出版物に掲載される内容も、止血の為の応急手当や、焼夷弾が落下した際の消火活動など、より具体的になっていきました。
今回の展示では、当時出版された図書や雑誌を通じて、空襲への備えがどのように国民に周知され、日常化されていったのかをご紹介します。
4階図書室では、この他にも多数関連本を所蔵しております。こちらもあわせてぜひご覧ください。
展示内容
【1】壁面展示
- (複製)『家庭防火群特設防護団防空小読本』(昭和12年9月)日本教育通信社
- (複製)『隣組家庭防空必携』(昭和16年8月)東京毎夕新聞社
- (複製)『防空』第5巻第6号(昭和18年6月)大日本防空協会
- (複製)『主婦之友』第27巻第7号(昭和18年7月)主婦之友社
- (実物)『防空新聞』第5号(昭和19年9月15日)朝日新聞東京本社 ※こちらの資料は、4階図書室では原本ではなく、複製版でのご利用になります。
- (写真)『防空演習』静岡県静岡市(昭和15年10月4日)久保山栄一撮影
- (写真)『防空訓練(防空壕の中)』東京都豊島区池袋(昭和19年3月頃)菊池俊吉撮影
- (写真)『灯火管制下での夕食』東京都港区青山(昭和20年1月頃)菊池俊吉撮影
【2】ケース展示(アクリルケース2台で展示)
- (実物)『わが家の防空』(昭和11年6月)軍人会館出版部
- (実物)『少年倶楽部』第23巻第7号 附録(昭和11年7月)大日本雄弁会講談社
- (実物)『家庭防空』(昭和12年7月)国防思想普及会
- (実物)『防空は防火なり』(昭和17年2月)興亜文化録音
- (実物)『写真週報』第283号(昭和18年8月4日)内閣印刷局
- (実物)『婦人画報』第37巻第11号(昭和18年11月)東京社
- (実物)『主婦之友』第28巻第1号(昭和19年1月)主婦之友社
- (実物)『婦人倶楽部』第25巻第9号(昭和19年9月)大日本雄弁会講談社