制服を着用する職業は数多くあり、それらの制服は職業制服と呼ばれます。
明治時代以降の洋装化により、警察官や国有鉄道職員が制服を着用するようになり、いまから100年前の大正13年(1924)には、東京市電気局が市営バス事業の開始に伴い女性車掌を採用し、赤色の襟が付いた紺色のワンピースを着用した彼女たちは「赤襟嬢」と呼ばれて市民に親しまれました。市営バスの車掌以外にも、デパートガールなど制服を着て働く女性たちが雑誌等でもとりあげられるようになりました。
しかし、昭和16年(1941)の太平洋戦争開戦を機に、華やかな職業は「贅沢の標本」と呼ばれ、職業制服においても質素倹約が求められるようになりました。
戦後は女性警察官の採用が開始されるなど、女性の職場も拡大され、職業制服もデザイン性だけでなく機能性も重視されるようになりました。
今回の展示では当時の雑誌記事を中心に、職業制服が時代とともにどのように変化していったのかをご紹介します。
4階図書室では、この他にも多数関連本を所蔵しております。こちらもあわせてぜひご覧ください。
〈雑誌資料12点〉
1.『アサヒグラフ』第22巻第26号 昭和9年(1934)6月27日 朝日新聞社
2.『主婦之友』第19巻第12号 昭和10年(1935)12月 主婦之友社
3.『アサヒグラフ』第28巻第14号 昭和12年(1937)3月31日 朝日新聞社
4.『写真週報』第14号 昭和13年(1938)5月18日 内閣印刷局
5.『写真週報』第17号 昭和13年(1938)6月8日 内閣印刷局
6.『逓信の知識』第3巻第9号 昭和14年(1939)11月 逓信省逓信博物館
7.『新女苑』第6巻第3号 昭和17年(1942)3月 実業之日本社
8.『日本少女』第23巻第9号 昭和18年(1943)12月 小学館
9.『婦人倶楽部』第25巻第3号 昭和19年(1944)3月 大日本雄弁会講談社
10.『週刊少国民』第3巻第34号 昭和19年(1944)8月27日 朝日新聞社
11.『女学生の友』第5巻第4号 昭和29年(1954)7月 小学館
12.『婦人朝日』第9巻第8号 昭和29年(1954)8月 朝日新聞社
〈写真資料3点〉
1.『消防車の前に整列する消防士たち』 東京都 昭和20年(1945)10月12日 米国国立公文書館提供
2.『交通整理中の女性警察官』 東京都 昭和23年(1948)3月24日 米国国立公文書館提供
3.『ウェイトレスの研修』 沖縄県 昭和26年(1951)8月7日 ネルス・エインウェクター撮影 米国国立公文書館提供