今年、令和6年(2024)は阪神甲子園球場100周年、読売ジャイアンツ90周年の年です。
明治初期に日本に伝わった野球は、学生野球を中心に人気が過熱していきます。
大正13年(1924)、広い球場を必要として甲子園大運動場(現:阪神甲子園球場)が造られ、全国中等学校優勝野球大会(夏の甲子園大会)はこの年から甲子園球場での開催となりました。応援の過熱で中止していた早慶戦も大正14年(1925)に復活し、六大学リーグが始まります。
プロ野球は、昭和9年(1934)に大日本東京野球倶楽部(現:読売ジャイアンツ)がプロ野球団として発足したことをきっかけに、昭和11年(1936)より7球団で公式戦を開始します。
しかし、昭和2年(1927)に施行された兵役法や、すでに満洲事変がおこっていたことで選手の召集もあり、さまざまな野球への制限も行われていく中で試合を続けていこうとしますが、昭和19年(1944)に全ての試合が中止となります。終戦を迎え、その年の11月には早慶戦とプロ野球が復活します。
今回の資料公開コーナーでは、野球にまつわる戦前・戦中・戦後の様々なトピックを所蔵資料で紹介します。
〈雑誌資料5点〉
1.『アサヒ・スポーツ』第2巻第16号=第35号 大正13年(1924)8月 朝日新聞社
2.『アサヒ・スポーツ』第2巻第17号=第36号 大正13年(1924)9月 朝日新聞社
3.『アサヒ・スポーツ』第14巻第7号=第353号 昭和11年(1936)4月 朝日新聞社
4.『ベースボールニュース』昭和25年(1950)3月1日=第647号 日本体育週報社
5.『ベースボールニュース』昭和25年(1950)5月1日=第651号 日本体育週報社
〈写真資料6点〉
1.『早慶戦』昭和9年(1934)3月~5月 石川光陽撮影
2.『神宮球場で活躍するベーブ・ルース』昭和9年(1934)11月頃 石川光陽撮影
3.『沢村独特のフォーム』昭和15年(1940)5月頃 松田正志撮影 (公社)日本写真家協会(JPS)提供
4.『巨人軍のスター選手たち』昭和15年(1940)5月頃 松田正志撮影 (公社)日本写真家協会(JPS)提供
5.『甲子園球場』昭和20年(1945)9月6日 米国国立公文書館提供
6.『10年ぶりにちゃんとした野球をする日本の学生』昭和21年(1946)8月15日 米国国立公文書館提供
〈映像上映〉
展示作品に関連した映像を公開(上映時間:約16分)
1. 読売新聞発声ニュース第7号「龍虎相摶つ 職業野球 豪華戦(東京)」昭和12年(1937)7月
2. 朝日世界ニュース第240号「烈々若人の意気高く 全国中等野球開幕(甲子園)」昭和13年(1938)8月
3. 日本ニュース第116号「若人逞し 体育祭典」昭和17年(1942)8月
4. 日本ニュース第262号「野球の早慶戦復活」昭和20年(1945)11月
5. 新日本ニュース第32号「全国中等学校野球大会―西宮球場―」昭和21年(1946)8月
6. 新日本ニュース第65号「選抜中等野球はじまる(甲子園)」昭和22年(1947)4月
7. 新日本ニュース第66号「中等野球決勝戦(兵庫 甲子園)」昭和22年(1947)4月
8. 新日本ニュース第173号「観衆なだれ込む甲子園 巨人対阪神」昭和24年(1949)5月
9. 国際ニュース第19号「元巨人軍主将 水原選手かへる(後楽園)」昭和24年(1949)8月
10. 朝日ニュース第609号「早稲田実業初優勝(選抜高校野球)」昭和32年(1957)4月
11. 毎日ニュース第353号「長島三冠王なるか」昭和36年(1961)9月