昭和館

特別企画展

戦中戦後の子供のくらし -学校での生活-

戦中戦後の子供のくらし

-学校での生活-

会場昭和館3階 特別企画展会場
会期2000年5月2日(火)から5月29日(月)まで
休館日会期中の休館日は5月8・15・22日
入場料特別企画展会場への入場は無料(常設展示は有料)
主催昭和館

 このたび昭和館では、『戦中戦後の子供のくらし-学校での生活-」と題して特別企画展を開催する運びとなりましたのでご案内申し上げます。
 本展では統制や物資不足などの影響を受けて変化した文房具やランドセルなどの学用品、学制に伴い移り変わった教科書や児童の作品などを展示いたします。身の回りの品や当時の写真を通じて戦中戦後のこどものくらしを振り返り、再認識していただきます。

1.戦時下の児童と学校

 明治以来、初等教育機関としては尋常小学校と高等小学校があり、尋常小学校での6年間が義務教育となっていました。昭和16年には、児童たちは「少国民」と呼ばれるようになり、国民学校初等科(6年)と国民学校高等科(2年)に姿を変えてゆきました。物資が統制下におかれたこの時代には生活物資が不足し、子どもたちが使う道具も例外ではなく、様々な素材を利用した代用品が使用されました。会場では、学用品や学校の授業での作品をはじめとして、おもちゃや代用品など戦時下の児童と学校にまつわる資料を展示いたします。

展示資料の一例

4つ玉算盤

 算盤が5つ玉のから現在も使われている4つ玉へと変わったのは、昭和14年度から必修科目となった小学校4年生算術(算数)教科書に4つ玉の図が掲載されてからだといわれています。写真の算盤は、それまでの5つ玉算盤の下の一列を紙で貼って4つ玉算盤として使用された、移り変わり期のものです

教室を清掃する
泰明国民学校の児童たち

 昭和16年4月から発足した国民学校では、児童の「錬成」(鍛えて立派にすること)をおもな目的としていました。儀式や学校行事といった教科外学習も強調されて、このような校舎の清掃も重要な日課とされました。
東京 昭和16年7月 藤本四八撮影(JPS)

帽章(紙製)

 国民学校で使用された学帽用の帽章です。当時は金属類を使ってこのようなバッチなどを作ることが制限されていたために、代用品として厚紙をプレス加工して金色に着色して製造されたものです。

2.子供たちの戦後

 終戦により世の中はめまぐるしく変化を遂げましたが、子どもたちの世界も例外ではありませんでした。多くの学校は戦争の影響による校舎不足などで授業の再開もままならない状況でした。そういった物資不足下の生活においては、子供たちの道具類も家族のお古などを工夫して作られました。また、学校制度も戦後の混乱といくつかの教育改革を経て、昭和22年4月からは小学校6年・新制中学校3年の義務教育制が開始され、今日に至っています。会場では各種の再生品や戦後の学校生活にまつわる資料を展示いたします。

展示資料の一例

物差し入れ

 新しい布が手に入らないために、戦中に使われていた布袋の生地の良いところだけを選んで縫い合わせて、物差し入れの袋として作り直した物です

男子も裁縫

 慣れない手つきで裁縫に取り組んでいる小学校の男子たち。昭和22年度からの新教育課程では小学校での授業内容も大きく変化しましたが、男子にはそれまでおこなわれていなかった家庭科の授業が行われるようになりました。
東京 昭和23年9月27日 米国立公文書館

3.移り変わった学校生活

 戦中戦後という大きな時代の移り変わりが、子供たちの身のまわりにあった物にどのような変化を与えたかを比較します。会場では各時代のランドセル、筆入れ、教科書などを並列に展示して色や形の違いがご覧頂けるようにいたします。

展示資料の一例

筆入れ
 戦争が激しくなる前には、ブリキ製のものや鮮やかな色彩のセルロイド製のもの(A)が多く使われました。やがてそれらの材料が不足してくると、紙に漆をかけて補強した代用品(B)なども登場します。 戦争が終わってだんだんと物資が出回りはじめると、戦争前にあったのと同様の製品が再び姿をあらわしますが、昭和23年頃には軽くてさびないアルミ製の両開き筆箱(C)が登場し、人気を集めました。

『見て?触って!体験イベント』

「見て?触って!体験イベント」には大勢のお客様にご来場いただき、
ご好評の内に終了いたしました。

イベント期間中、毎回100名の方に当時の代用食(蒸しパン)をご試食いただきました。お味のほうはいかがだったでしょうか?

米搗きにチャレンジしていただきました。なかなかお米が白くなりません。

 けん玉、お手玉、ビー玉にめんこといった遊び道具には初めて触ってみるというお子さんもおられました。また、お父さんやお母さんのほうが夢中になってしまう一こまも。

 現役の紙芝居職人、梅田佳声さんをお迎えしての紙芝居上演。お子さん向けのクイズも交えて、威勢の良い紙芝居の熱演でした。

 戦中戦後を想定して、ご来館いただいた方たちに当時の子供の暮らしを食事や遊びといった側面から実際に体験を5月3・4・5日の3日間、当館2階広場で体験していただきたいと思います。食料不足当時の食事の試食、昔の遊びの実演など、親子で体験できるような催しを開催いたします。

食生活再現
体験コーナー
米つき体験コーナー遊び体験コーナー紙芝居上演
食料不足時に食べられていた「蒸しパン」を再現し、ご試食いただきます。(1日2回、人数に限りがございます)また、当時の食事についての調理方法や材料についてもパネル解説いたします。このコーナーには米つき瓶数台を設置し、時間を問わず常時米つきを体験していただきます。 また、精米過程の見本(七分づき、五分づき、二分づき)も展示します。適当な広さのフリースペースを設け、当時の玩具をそれぞれ一品目(数個を用意)設置し、常時触れられる形にします。遊び方については解説パネルを設置するとともに、一定時間おきに講習・指導を行ないます。専門の職人さんによる紙芝居の上演をおこないます。(1日3回上演)

お問い合わせ

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TEL.03-3222-2577

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